Act,17 | ||||
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「ねぇ兄さん。さん…やっぱり辛かったんじゃないかな……」 「俺が知るかよ。」 夕方、帰宅してみれば家にだれもおらず、 まだ1人は早かったかと一応ロイに連絡を入れ街に探しに出てみれば、 本人は市場手前の楽器屋でピアノを弾いていた。 「馬鹿かっお前はっ!!」 二人が見つけ出し、声を掛け始めて時間に気づいたが立ち上がり、 声を出すより早く、エドはを怒鳴りつけていた。 「ガキじゃあるまい…時間がわからなくなるほど弾いてましたって……。」 「でも兄さんだってほっといたら何時間だって本読んでるじゃない。」 「…………。」 怒鳴りつけた瞬間、見せたの顔はなんとも言いがたい顔をしていた。 キズついて悲しみの溢れた…今にも泣きそうな顔で、そのまま頭を下げてひたすら謝罪の言葉を繰り返し、 アルが「もう良いから」と手を引き、店の主人と言葉を交わしてやっと少し顔を上げた。 「それにしても上手だったね。僕音楽なんて全然わからないけど、凄いと思ったよ。」 「…………。」 買い物もまだ終わらせていないと聞いたエドはアルにを任せ、 自分は「大佐に連絡するから」と先に帰宅してしまったが、 買い物中もは会話もほとんどせず、ただ謝罪の言葉だけを繰り返し、 帰宅してからは直ぐに台所へ入ってしまったため、エドとは顔を合わせていない。 「ねぇ兄さん…まだ怒ってるの?」 「当たり前だ。」 帰宅後兄弟は自室へ篭り、エドは終始機嫌が悪い。 借りてきた本にも手をつけず、ベットに横になり、不貞腐れている。 「あいつ……なんであんなに謝るんだよ……。」 「へ?」 「何が悪かったか分かってんのかよ……。」 「じゃ兄さんは何で怒ってるのかさんに言った?」 「分かるだろそれくらい。」 「そうかな……。」 兄弟の会話が途切れ、沈黙が流れる。 「兄さんがいきなり怒鳴ったりするからだよ……さん知らない事や不安で一杯なのに… もしかしたら兄さんのせいでさん泣いてるかもしれないね。」 「………。」 「いきなり『馬鹿』は無いよね…さんだって悪気があった分けじゃないのにさ…。」 「………。」 「文字だってなぜか読めるけど自分が使ってた国の文字じゃないって言ってたよ…… ピアノ…あんなに弾けるんだもの、きっと嬉しかったんじゃないのかな…それなのに兄さんは…。」 アルフォンスの嫌がらせのような言葉を遮るようにエドがベットから立ち上がり、 ドアノブに手を掛ける。 「風呂っ」 アルが声を掛けるより早くエドは大げさなくらいの音を立て、ドアを閉め、 そのままばたばたと階段を下り、台所へ向かえば小さな歌声が聞こえてきた。 消え入りそうな、それでもしっかりとした穏やかな声に直ぐにも顔を見せる筈だったエドは、 いつの間にか足音を消し、入り口付近からそっと台所を覗いていた。 もう夕飯の支度も終わりかけているのか、 キッチンは片付き、スープの鍋を掻き混ぜながら小さく歌う声。 穏やかで優しく、どこか寂しい。 子守唄にも似たような歌声は泣いているような、そんな気さえしてくる。 「また怒鳴り込む所だった」毒気を抜かれ、そんな事を思いながら、 入り口の物陰で立ったまま歌声に聞き入りかけていたエドの足元に、 先ほどまでの足元で転がっていたピンク色のハロがコロコロとエドの足元まで転がり跳ね上がった。 「ハロ?キッチンなんだから大人しく……エド君?」 跳ね上がったハロを空中で捕まえ顔を上げ、鍋の火を消し手を止めたの顔を見る。 「……悪かったな、怒鳴って。」 一言それだけを告げ、 キッチンカウンターへハロを置くとそのまま逃げるようにエドは浴室へ姿を消した。 「エド君……。」 エドの小さな背中を見送り、カウンターから飛び上がったハロを抱き受けると、 2階のリビングから電話が鳴り響き、 音が消えると、間を置かず今度は兄の着替えを持ったアルが現れる。 「さん。大佐今上がったからもう直ぐ帰ってくるって。」 「あ、はい。」 が返事をすると、用件を伝えに現れたアルは直ぐに背を向ける。 「兄さんさん怒鳴った事結構後悔してたみたい。だから……。」 「うん。うん。ごめんね……」 ハロを抱いたまま俯き謝罪するに、アルはそのまま部屋を後にした。 食事の下拵えを済ませたはキッチンの椅子へと腰を下ろし、 膝の上に置いたハロの頭をぼんやり撫で、再び小さな声で歌い始める。 エドが入浴を終えた頃、ロイの帰宅を知らせる呼び鈴が家に響いた。 |
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プロットと内容が変わってしまう最大の要因は文字数だって事に気づきました。 プロット段階だと明らかに内容薄いんだよね。 だめじゃーんって(爆) ただ、所要部分にはコンテがありまして、 そこだけならアニメーション作れるくらいに馬鹿みたいにキチンと書き込んでます(笑) ただそこを文章で表現しきれるかって聞かれるとそれは無理(ヲイ。 今回だと兄弟が花子さんを見つけて、エドが怒鳴りつけるシーン。 動画枚数まで概算されてるあたり私も馬鹿だなぁと。 もうなんか、そこだけキチンと抑えて、後は勝手に動かそうと思いました。 今回がいい例だ。 |